自作曲「Puzzle Dreamer」のコード解説
今回は僕の自作曲「Puzzle Dreamer」を、あまり知識はありませんが自分なりにコード解説したいと思います。なんか間違ってたら指摘して頂けるとありがたいです。
需要?知りません。ていうかぶっちゃけ自分用のメモ書きです。最近自分の作品を説明する機会が増えたので、そういったプレゼンのための練習みたいなノリで作ってみました。
企業提出用に作った作品になります。ゲームBGMというよりは正直インスト楽曲な雰囲気がしなくもないですが、この作品は「もじぴったん」にかなりインスピレーションを受けている…つもりです。
0:00~0:12 イントロA
イントロです。曲全体があまりゲームBGMっぽくないので、最初くらいはゲームっぽくしようとした結果です。キャッチーかつ「最初の数秒でゲームの状況を説明できる楽曲」というのがゲーム音楽の大前提なので、このイントロは「こういうラフで楽しげなBGMですよ」と説明する役割を果たしています。
0:12~0:26 イントロB
AbM7 BbM7 AM7 G#m7 AbM7 BbM7
BM7-AM(9) G#m7-GbM7 F7(#9)
Bbsus4(7,9)-Bb9
AbキーのⅠ(AbM7)からスタートします。Ⅱは本来BbmですがここではBbM7に移動しています。メジャーセブンスからその全音上のメジャー7thへの動きってなんかエモく感じません?
AM7でEキーに部分転調します。先程の流れを組むならAM7→BM7になるところですが、平行的な進行を二回連続して行うと調性感に違和感が出るのと同時にシリアスになりすぎてしまうのでここではⅣ(AM7)→Ⅲ(G#m7)になっています。G#mは同時に元々のキーAb(G#)のパラレルマイナーキー(同主短調)のⅠなのでモーダルインターチェンジ(借用和音)の関係になっています。
BM7 AM7-9 G#m7 GbM7 F7-#9 とたたみかけるセクションですが、正直ここらへんは割とフィーリングで打ち込んだのでよくわかってません。
7thだけだとカッチリしすぎるので、9thを織り交ぜて少し曖昧にしてます。思考停止でテンション積んでボカす方法はよく活用します。
F7#9 Bbsus4(7,9) Bb9 Eb
key=D# Ⅱ7 Ⅴsus4(7,9) Ⅴ Ⅰ
AメロはD#キーのⅠであるEb(D#)から始まりますが、その前のF7の時点で転調しています。F7→Bb(Ⅱ7→Ⅴ)の部分でセカンダリードミナントコードからドミナントコードへ、更にAメロ頭のⅠへドミナントモーションしているので安定感を保ちながらAメロを始めることができます。
0:27~0:50 Aメロ
Eb Ebaug/B Eb6/C Eb7/Bb-Eb7 Ab Gm B Bbsus4-Bb
Eb Ebaug/B Eb6/C Eb7/Bb-Eb7 Ab Gm7-C7 F-Bb Eb-Eb7
初っ端Ⅰ Ⅰaug Ⅰ6 Ⅰ7のトップノートが半音ずつ上がっていく流れ(クリシェ)は最近のアニソン界では頻出している進行です。たとえばアイドルマスターシンデレラガールズのStar!!のAメロだったり、花ハ踊レヤいろはにほのAメロ後半だったり(両方田中秀和さん)。高揚感というかじわじわ感じる幸福感を醸し出せる進行です。
今回はその効果を狙いつつ、ルート音を構成和音上で動かすことでベースラインのマンネリ感を減らしています。(そのまま打ち込むとずっとEbなので)
Eb7/Bb→Eb7の動きではコードとしては変わってませんがベースラインがツーファイブの役割を果たしています。
Gm7-C7 F-Bb はFキーのⅡ-Ⅴ-Ⅰ-Ⅳと循環コードの亜種のような動き。と同時にF-Bbはkey=EbのⅡ-Ⅴでもあるので次のEb(Ⅰ)にツーファイブワンで解決します。
最後はEbのままドミナントセブンスにして(Eb7=Ⅰ7)、Bメロへの押し出し感を強調します。
0:51~1:02 Bメロ
Ab/C Bbm7-Eb BM7-Db Ebsus4/Bb-Eb
Ab-Bb Gm-F#m Fm7 Bbaug-Gbaug
先程のAメロ終わりのEb(key=EbのⅠ)はkey=AbのⅤなので、Ab/C(Ⅰ/Ⅲ)にツーファイブで対応しています。
Bメロでも転調します。
BM7 Db Ebsus4/Bb Eb Ab Bb Gm F#m
key=F# Ⅳ Ⅴ ⅥMsus4/Ⅲ Ⅵ
key=Eb Ⅰ Ⅳ Ⅴ Ⅲ Ⅲb
Ebがスケール間の橋渡しをしているイメージですね。(ピボット・コード)
Ⅳ-Ⅴ-Ⅲ-Ⅲb という進行がありますが、最後のⅢbがⅥだと俗に言う「王道進行」になりますが、僕の場合今まで散々使ってきた進行なのでなんか今は逆に避けたいんですよね。この曲の場合全然王道進行でもよかったんですが、Ⅲbにするとなんていうかちょっとだけ大人になれます。
最後サビ直前はオーギュメントコード(aug)を使用しています。augって色々使い方がありますが僕の場合やはりドミナントコードの代理で使うことが多いです。普通にBb7を使うよりもBbaugのほうが浮遊感というかオシャレな感じにできるんですよね。渋谷系にガッツリ影響されてます。Bbaugの次にGbaugが鳴ってますが、augコードって割とどの音程を入れてもあまり雰囲気は変わらないんですよ。増4度が並んでるだけなのでaugコード同士は共通する構成音が多いからですね。ちなみにBbaugとGbaugの構成音は同じです。
1:03~1:27 サビ
BM7(9) Bbm7/Db Ebsus4-Eb Ebsus2-Eb BM7(9) Bbm7/Db Ebsus4-Eb Ebsus2-Eb
BM7(9) Bbm7/Db Ebsus4-Eb Ebsus2-Eb BM7(9) Bbm7/Db Ebsus4 Eb
ほぼ3コードを繰り返してるだけですが実はここ意外と面白い構造です。
Ebsus4、Ebsus2は「Eb」として考え、かつ9thを無視するとサビセクションはこういう構造になります。
BM7 Bbm7/Db Eb
key=F# Ⅳ Ⅲ/Ⅴ ⅥM
key=Eb Ⅵb Ⅳ/Ⅶb Ⅰ
サビではF#キーに転調していますが、聴感的にはEbキーのままになります。BメロまでにEbキーを聴かせまくったおかげでリスナーの脳はEbに染まってると思うのでMr.Childrenの終わりなき旅の「終わりなき旅」って歌ってるあそことかデレマスの絶対特権主張しますっ!の「主張します!」って歌ってるあそこに使われているⅥb-Ⅶb-Ⅰコードの雰囲気を感じられると思います。ⅣⅤⅥmに似た印象ですが最後はⅠなので強い解決感とハッピー感を得られると思います。
関係ないですがkawaii make MY day!のフル早く聴きたいですね。あんな曲を書けるようになりたいです。以上です。