夏色ハイスクル★青春白書は本当にクソゲーなのか? その2
前回記事の続きです。
その1ではゲームの基本的な紹介と、「三日月めぐ」「島袋珠希」の紹介をしました。
今回は下記3人です。
東海林薫子エンド
名前の読みは「しょうじ かおるこ」。報道部3年生(先輩)。東海林グループという大財閥のお嬢様。といっても「オホホホ!〇〇ですわ!!」みたいなアナログタイプなキャラではなく、落ち着いて大人っぽく、ちょっとツンが入った感じのキャラです。
CVは村川梨衣さん。林原めぐみさんみたいなダウナーな声が素敵でした。薫子ルートでは報道部としての取材の他に、東海林グループの夢ヶ島再開発問題で起きる賛成派と反対派の争いの調査など、意外と社会派なテーマも多く含まれていてちょっとだけシリアスです。奔走する薫子を支えてあげてうまいこと恋人になる感じのシナリオです。
最初は珠希ほどじゃなくともそれなりにツン気味というか、主人公に対して無関心だった薫子の心を開いていくプロセスはギャルゲーしてる感があってそれなりに面白かったです。ただ気に入らない点が一つあって、シナリオ後半の主人公。
他のルート(少なくともめぐ、弥生、珠希、蘭子)では転校当日までにどこかのタイミングで転校する事実を明かすのですが、薫子ルートでは最後まで明かしません。電車に乗る直前で薫子に転校の旨をメールして、そのまま去ろうとします。頭おかしい。
薫子は何故か弥生(巫女)のお告げでたまたま駅まで来ていました(ここも違和感あるけど)が、当然大激怒。でもすぐに「行かないで…!」と泣きつきます。ここまで薫子すごい好きだったんですが、ここらへんの台詞回しはシナリオ自体の粗というか、無理矢理感が否めなかったです。
普通ビンタとかされて「さよなら」ってなっても仕方ない展開だと思います。もちろんそんな展開薫子ルートがバッドエンド扱いされちゃうのでアレですけど。
ちなみに、デートイベントでは薫子含め当然みんな私服を着てくるわけですが、薫子は暖かそうなコートの袖だけ切り落としたようなよくわからないなデザインでした。
めぐ、蘭子(後述)は女子高生というよりは女子小学生みたいな私服着てきますし、マシなのは珠希(普通にノースリーブのパーカーにデニムっぽいスカート)と弥生(後述。緑の楔柄?ワンピース)くらいです。誰がデザインしたんだほんと…絆創膏パンティーとかモデリングしてる暇あるならもっとマシなデザイナー呼べよ…(半ギレ)
主人公が転校して数年後、薫子は東海林グループを独立してNPO法人を結成し海外で活動しています。主人公と結婚したみたいでよかったです。高校生時代から髪型もメガネも変わらず、服もデートイベントの時の私服の色違いなのはなんとかしてほしかったですけどね。
大神弥生エンド
報道部3年生(先輩)。薫子とは中学時代からの友達。報道部自体この二人が色々やってできた部活ですが説明は割愛。主人公と同じくらいの高身長でダイナマイトボディで下ネタ大好きな島の神社の巫女。個性爆発。このルートでは島の大神神社やその奥の神様と色々会話しつつ、オカルト研究部とのイベントだったり島の「気」がどうたらこうたらでSFなシナリオになっています。キャラクターごとに大きく異なるメインシナリオは差別化が図られていて好感が持てます。(ただしデートは全員海、映画館、山の3点セット)
9月下旬の夜の宇宙人遭遇イベントでは光る自転車で空を飛んで山頂に行くギミックがあります。ちょっとファンタジー色強すぎて話を聞くだけでは陳腐ですが割とロマンチックで良いイベントでした。先述した通り、他の報道部3人(特に薫子)のルートが割と現実的なのでそこだけはよかったです。ずっと飄々としててつかみどころが無く散々主人公を翻弄していたお姉さんキャラだったのに、別れ際は普通に泣いてくれる所なんかはギャップ萌え的な感じで不覚にもちょっとグッとしましたから…(擁護)
ちなみに、複数人を途中まで同時攻略すると、放課後に一緒に帰るイベントがカブって上記画像の状況になります。(自分と一緒に帰るのを3人と約束しているので3人待ってる)どれか一人を選ぶと残りの女の子はスッと無言で駅に歩き出します。怖い。
あ、弥生フラグ立ててデートの約束を取り付けたあとにデートの待ち合わせ場所ではなく報道部部室に行くと、ゲームとしては主人公がデートに行くことしか想定してなかったのにデートに行かなかった場合のイベントも起こすことができます。その場合バグって弥生が消えます。つらい
EDでは結婚して主人公が跡取りになってます。手紙に「儀式」とありますが、壱の儀式は祈祷、弐の儀式で主人公とキスしました。問題の「参の儀式」はシナリオ内では語られていませんが、おそらく性交渉のことかと思われます。(有識者)
ていうか報道部4人のエンディングで主人公と結婚してないのめぐだけなんですけど…してよ…いやきっとするよ。するする
郡山蘭子エンド
なんだかんだでエンディングで一番泣いたルートです。1年生の後輩。不思議ちゃんで口数も友達も少ない娘。実は一番最初に攻略したキャラです。ゲーム2週目以降(一度なにかしらのエンドに到達しないといけない)から攻略できるようになるキャラですが、わざわざ一度ゲーム内で補導されまくって(補導されまくることで日数を大幅に飛ばして3ヶ月を爆速で終わらせる)、俗にいうぼっちエンド(誰とも仲良くなれずに終わるルート)を見てからプレイしました。
何故かというと、まぁ「蘭子」という名前に惹かれたからですよね。(神崎蘭子P)
このルートで一番しんどかったのが移動。最初は弥生と二人で廃墟の幽霊の話のキーパーソンとなる蘭子の話を聞くイベントがあり、そこから分岐して蘭子と親交を深めていくのですが、蘭子を攻略する際に1日スタートの場所(学校/駅)から廃墟までめちゃくちゃ距離があり、イベント毎にものすごい移動(2~3分かかる)を強いられるので攻略にクソ時間かかりました。つらい
廃墟にいた幽霊は蘭子ちゃんそっくり。後に蘭子の先祖だとわかるが、おとなしい蘭子ちゃん とは裏腹にキクさんはとても元気なキャラクター。なんと経産婦。
それからは何度かキクさんに蘭子が身体を貸してあげたりして二人まとめて手篭めにするシナリオ。最初は人になにかを伝えるのが苦手だった蘭子が、キクさんや主人公の助けもあって成長していく姿に父性すら抱きながらもプレイしてました。
最終日前日、蘭子の成長に満足したキクさんは成仏。そして最終日、主人公とのお別れイベント。プレイ中しばらく自分でも引くくらい泣いてたんですが、「キクが成仏した後別れの電車内で出てくるキクEND」があるとのことで少し前のセーブポイントから改めてプレイしてみました。その条件が「キクの好感度MAXのまま、同じく好感度MAXの蘭子の好感度を80%程度下げる」。ガチで声を上げて泣きながら好感度を下げた。
さっきまでイチャコラして、感動的なEDを見て、僕からすれば娘のような存在と化した蘭子ちゃんにわざと何度も体当たりして好感度を下げる作業。「きゃっ…」「やめて…」って言いながらよろける蘭子ちゃん。
このゲームは何だ?
僕はなぜ泣きながら女の子に体当たりしているんだ?
ゲームは人を笑顔にさせるものではなかったのか?
無事キクENDも終わらせた僕の目には既に光は宿っていなかった。
僕がこのゲームをプレイしたことは間違いだったのか?
…いや、
僕の過ごした青春は、
間違ってはいなかった。
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